母の日に。

 

正しい日本語の使い方と指南される例として、”「すみません」ではなく「ありがとう」というのが正しい”、とはよく聞きます。

道を譲られた、お先にどうぞと言われた、というような心遣いに対してつい「すみません」と言ってしまう人は多いし、感謝を伝えるのに「すみません」は確かに不自然です。

 

けれどもしも、誰かに何かをしてもらうことに慣れていない、抵抗があるというようなバックボーンがあって、「すみません」がその人の本心だとしたら、日本語を正しく使おうということに、どれほどの意味があるのでしょうか。

ちょっとの手伝いや、ちょっとの肩揉み、たまにのプレゼント。
良かれと思ってしているのに、いつも「悪いねぇ。」といってくるのが私の母。

「どうせ言うなら”ありがとう”って言ってよ。」と生意気な正論をぶつけたことがあります。

 

謝られる意味がわからなくて、素直じゃなくて、不愉快に感じていました。ある時までは。

言えばぎこちない「ありがとう」が返ってきますが、根本的には今も直そうとしません。

 

 

あるとき母に言われたことがあります。腰痛の酷かった3年前です。

 

「のりちゃん、私に介護が必要になっても、一切の世話はいらないよ。子どもの世話になるなんていやだよ。」

 

そもそも親といういきものは、子どもにあれこれされることを望んでいない、なら

「悪いねぇ。」も、間違った日本語じゃなくて、本心から出る言葉なのかもしれないと思いました。

 

 

親孝行の形に正解はありませんが、それまで私の思い描く親孝行のすべてには「悪いねぇ。」が返ってきました。

いったい何をしたら「ありがとう」と喜んでくれるんだ、この人は。

 

ただ最近、母が「ありがとう!すごく嬉しい!」と言ってくれた出来事がありました。

 

Yogini57号をプレゼントした時です。

 

親が心から感じる喜びは、やっぱりこのことかと。。。

 

次のブログで書きます。